日本の息吹 竹中俊裕

【けんか】 新学期が始まって、クラス替えがありました。 初めて同じクラスになった学くんと言い合いになり、 取っ組み合いのけんかになりました。 でもそのあとは仲直りして、今では一番の仲良しの親友です。

【動物園】 ゴールデンウイークは家族みんなで動物園に行きました。 入口をくぐったら一番好きなぞうさんの所まで一目散に走って行きます。 お家から持ってきたリンゴを差し出すと、長い鼻を器用に使ってたべました。 弟はお父さんに抱えながらあげてたけど、ちょっとこわかったみたいです。 それからかっこいいトラやライオン、ゴリラやキリンなどたくさんお動物に会いました。

【柱時計】 お父さんの許しが出て今日初めておじいちゃんの時計のネジを巻きました。 もう何十年も動いているボンボン時計は今もずれることなく動いて、 時間になるといい音でボ～ンボ～ンと知らせてくれます。 今日は時の記念日。お父さんが絵本を見ながら日本の初めての時計の話をしてくれました。

【引っ越し・転校】 お父さんの仕事場が変わるので三月で引っ越、大好きなこの町も今日で最後です。 遠くの学校へ転校するので、仲の良かった友達が駆けつけてくれました。 手紙を書く約束をしてみんなと最後のお別れを言ってたら、 お姉ちゃんと友達はとうとう泣き出してしまい、ぼくも悲しい気持ちになりました。 車が角を曲がったところで、堪えきれずに涙を拭いながらいつまでも口笛を吹いていました。

【あぶりだし】 みかんの汁を絞って半紙に絵を描いたら乾かしてストーブで炙ります。 しばらく炙っているとじわじわと絵が現れてきました。 面白くなってお姉ちゃんや妹と一緒にいろいろ描きました。 弟は漫画を見ながらコタツの中でお昼寝してました。

【竹馬】 靴のままだと乗りにくいから、冷たくても靴を脱いで指で挟んで乗るとうまく乗れました。 友達は足を高くした竹馬に乗って見せたり、片足ケンケンで乗ってみたり、 大股でズンズン走ってみたり、みんなそれぞれ自慢の乗り方をしています。 高く降り積もった雪の中にズッポリと埋まるようにわざとこける遊びもみんなでやりました。

【自然薯】 秋も深まり紅葉の季節になると林の開けた日当たりのいい場所には 黄色く色づいたハート形の葉が見つかります。 蔓の根元を探したら慎重に途中で折らないように穴を掘り、 斜面の片側から身長くらいまで掘ったら大きな自然薯が採れました。 持ち帰る時に折れないように、笹竹に蔓で縛ります。 小さなムカゴもたくさんあったので、みんなで分けて持って帰りました。

【ステレオ】 中学生のお姉ちゃんがステレオでレコードをかけてくれるというので、 歌謡曲や映画音楽のレコードを持って行ってかけてもらいました。 ステレオで聴くレコードはまるでそこに人がいて歌ったり演奏したりしているようでした。 聞いたことがない曲もあったけど、どれも綺麗な音で、ステレオっていいなぁと思いました。 妹たちは知っている曲になるとリリアンの棒をマイクにして二人で歌って踊っていました。

【くろんぼ自慢】 夏休みも終わり、学校で友達と会うとみんな日焼けを比べあってくろんぼ自慢。 海に行ったりプールに行ったり、毎日外で遊んだり野球などのスポーツで焼けたり。 みんなそれぞれ、どうやって焼けたのかもワイワイ自慢しています。 それぞれの腕を比べてみたら、一番のくろんぼは女子のまゆみちゃんでした！ 僕はお腹まで焼けたところをたかし君に見せたら大笑いしてました。

【スイカの種】 冷えたスイカは夏の一番の楽しみです。 縁側に兄弟並んで座って、大きな口でかぶりつきました。 種は庭に向かって飛ばし合い。 僕は勢いをつけて一番遠くまで飛ばしました。 空には大きな入道雲が現れて、あちこちからセミの声がたくさん聞こえてきます。 その中で時折聞こえる風鈴の音が爽やかで涼しく感じました。 いつまでも夏休みが続くといいのになぁ。

昔懐かしい昭和レトロイラスト／夏の風景・蚊帳 夏休みになったので、いとこのうちに泊まりに行きました。 夜になるとおばさんが蚊帳を吊ってくれて、その中で寝ます。 入るときは蚊が一緒に入らないように、パタパタとして入らないといけません。 いとこは飛んでいる蚊を叩こうと追いかけます。 妹は天井のシミが人の顔のように見えるのが怖いとしがみついてきました。 蚊帳の外ではブタの蚊取り線香から白いひとすじの煙が上がっています。 涼しい板の間の廊下には猫がお腹を上にして寝ていました。 田舎の涼しい風に吹かれ、風鈴の音を聞いているとすぐに眠ってしまいました。

【水切り】 河川敷で平たくて手頃な石を見つけて水切り遊びをしました。 最初は2～3回くらいしか跳ねなかったけど、 だんだんコツがわかると10回以上も跳ねるようになりました。 友達と夢中で競っていたら18回の新記録が生まれました。

【新しい命の誕生】 令和の新しい時代が始まる時に元気な男の赤ちゃんが生まれました。 初めての男の子だったので、急いで鯉のぼりの竿を建ててお祝いしました。 庭では藤の花がきれいな薄紫色で咲いています。 爽やかな風が新しい命の誕生を祝ってくれているようです。

【青梅採り】 梅雨の晴れ間に梅の実を採りに行きました。 1本の梅の木に大きな青い梅の実がぎっしりと生っていて、 香りを嗅ぐとほんのりと爽やかでいい匂いがしました。 「たくさん採れたので梅ジュースや梅シロップ、梅酒や梅干しなどにしようね」と ニコニコ顔でお母さんが言いました。 夏に飲む梅ジュースが今からとっても楽しみです。

【教室の掃除】 今月で１年間お世話になったこの教室ともいよいよお別れです。 4月からこの教室を使う後輩たちのために、終業式前の今日はいつもより念入りに掃除をしました。 友達は廊下を競争しながら雑巾掛けを楽しそうにしています。 僕は窓枠に登ってガラスをピカピカに磨きました。

【冬の星座】 冬は空が澄んでいて星がよく見えます。雄大なオリオンや青白いシリウス、輝くスバルなどを見ていると、 なんだか宇宙の中に吸い込まれているような気がしました。 あの星のそばに行ったらどんな景色が見えるんだろう？

霜柱】 急に冷え込んだ朝、僕たちは学校へ向かう途中の道路脇に霜柱を発見しました。 霜柱を踏んだ時の音や感触はとっても気持ちよくて、 夢中になってどんどん踏んでると、後ろから別の友達も追いかけてきました。 黄色いロウバイがあちこちに咲いていてとても綺麗でした。

【ゴム跳び】 私は体が柔らかいのでゴム跳びは大得意。 勢いよく足を蹴り上げて高い位置でも跳ぶことができます。 背が高いたかちゃんがゴムを持っていても ぐいっと背中を反らせば大丈夫です。

2018.9

平成30年 公元2018年8月【お昼寝】 午前中に水遊びをして、おやつにスイカを食べたらくたびれて眠たくなりました。 お母さんが寝ござとタオルケットを出してくれて弟とお昼寝しました。 簾越しの風と、お母さんが仰いでくれるうちわの風が気持ちよく、 風鈴の音を聞いているうちにすぐに寝てしまいました。

心に太陽を

心に太陽を

ハエとクモに助けられた話